2018年9月15日(日本時間:9月16日)にラスベガスでカザフスタンの英雄ゲンナジー・ゴロフキンとメキシコの英雄サウル(カネロ)アルバレスの2度目の試合が行われました。
この試合は二人の因縁(初戦の疑惑判定やアルバレスのドーピング疑惑など)や、世界トップクラスの実力者同士ということもあり、2018年のボクシングの試合の中で世界最大の注目を集めたと言っても過言ではないでしょう。
ハードパンチャー同士のスリリングな打ち合いを楽しみにしていた人も多いのではないでしょうか?
そこで今回はゴロフキンVSアルバレスの再戦に関する試合結果速報や、試合の展開、さらにコメントや感想についてまとめてみました。
ゴロフキンVSアルバレスの試合結果速報!
それではただ今から、世紀の一戦の試合結果をお伝えしたいと思います。
ゴロフキンVSアルバレスの試合結果は、まさかの・・・・
判定(2-0)でアルバレスの勝利!
ゴロフキンがプロ40戦目にして初黒星というのは世界的にも衝撃が大きかったようです。
判定はジャッジ1名が「114対114」でドロー。残りの2名が「115対113」でアルバレスでした。
絶対王者として揺るぎなかったゴロフキンが敗北したことで、アルバレスの長期政権の幕開けとなるかもしれません。
ゴロフキンVSアルバレスの試合の展開は?
結果はアルバレスの判定勝ちでしたが、試合展開はどのようなものだったのでしょうか?
【1~3ラウンド】
序盤はお互いがジャブを出し合い慎重な立ち上がりに。
アルバレスはボディへのフックを多用するが、ゴロフキンは右のパンチをほとんど出さず様子を見る。
ゴロフキンがジャブからの右アッパーを出せば、アルバレスは飛び込んでいきなりの左フック。
左で相手の顔面を狙い合う中、アルバレスはボディへとパンチをつなげて印象を上げていく。
ゴロフキンがアルバレスのジャブをかいくぐり左フックをカウンター気味に浅くヒットさせる。
アルバレスはジャブから右アッパー、左ストレートなど強烈なコンビネーションでゴロフキンを下がらせる。
途中からお互いの距離が詰まり、互いにパンチを被弾する場面も。
KOを狙っているのか両者強烈なアッパーやフックを空振りする姿も目立つ。
【4~6ラウンド】
ジャブからボディブローを繰り出すゴロフキン。
1~3ラウンドはやや劣勢と見たのかゴロフキンが流れをかえるべく手数を出していく。
しかし、ゴロフキンの攻勢を許すまいとアルバレスも手数で応戦し、ゴロフキンを下がらせる。
ゴロフキンは左アッパーから左フックを浅く当て、さらに右アッパーもヒットさせていく。
ややゴロフキン有利な展開となり、左ボディフックやボディへのストレートでアルバレスを苦しめる。
アルバレスは顔面への左フックからボディへの左フックと連打をつなげていく。
アルバレスはその後も手数を出し続け、ガード越しでもおかまいなしに強烈なパンチを叩き込んでいく。
一方のゴロフキンは冷静にジャブを当てていきリズムを作ろうとするが、なおもアルバレスはガード越しにボディに複数回連打を叩き込み、その後も強烈な左右のフックでゴロフキンを攻め立てる。
アルバレスは強烈な左ボディをゴロフキンにヒットさせると、左ボディから左アッパーへとつなげてゴロフキンに圧力をかけていく。
お互いに顔面へのパンチはクリーンヒットを許さないが、しつこく繰り出すアルバレスのボディブローがゴロフキンを苦しめる。
【7~9ラウンド】
アルバレスは強烈なフックをゴロフキンの顔面にガード越しながら何度も叩き込んでいく。
対するゴロフキンはジャブやストレート系のパンチをコツコツとヒットさせてリズムを作る。
ラウンド途中ではアルバレスの強烈な右フックがゴロフキンの顔面をとらえる場面も。
負けじとゴロフキンも手数で応戦するが、アルバレスは更なる手数でゴロフキンを押し返し前に出ていく。
アルバレスがゴロフキンにフックを当てれば、ゴロフキンもアルバレスに左ストレートを叩き込むという激しい展開に。
打ち合いがおさまればジャブを中心に試合を組み立てていくゴロフキンに対し、アルバレスは左ボディや左アッパーで応戦。
ゴロフキンも右フックのダブルから左フックへと連打を繰り出し、強烈な左ストレートとつなげて主導権を握らせない。
【10~12ラウンド】
アルバレスのスタイルは変わらず、ガード越しでもおかまいなしに何発もパンチを放ってく。
対するゴロフキンもジャブの連打という作戦は変わらない。
ゴロフキンの右ストレートがアルバレスの顔面をかすめ、さらに強烈なワンツーをヒットさせる。
途中でゴロフキンが怒涛のラッシュを繰り出すと、アルバレスはガードを下げて上半身の「ひねり」で避け続け会場を沸かせる。
ラウンド中盤ごろふきんの怒涛ラッシュをカネロが上半身のひだりでかわし続けかいじょうが沸く。
ゴロフキンが左すとれーとをヒットさせる場面もあるが、決定打にはならない。
最終ラウンドの開始の際はお互いの健闘を称えてかグローブを合わせる両者。
最後までKOを狙い合うように顔面狙いの激しい打ち合いが続く。
ゴロフキンがショートの右アッパーをヒットさせるとアルバレスも連打で応戦。
アルバレスが右の強烈なボディフックを放ち、放った勢いで自身のバランスが崩れ倒れる場面も。
最後まで激しくパンチを交換し合い、ゴロフキンが右アッパーを浅く入れたところで試合終了のゴング。
ゴロフキンVSアルバレスのコメントや感想も!
この試合に対し、勝者であるサウル・アルバレスは次のようなコメントを残しています。
「約束通りKOしたかったけど、大変な試合だった。ゴロフキンは素晴らしいファイターだったよ。」
とてもシンプルなコメントですが、1年前にドローで終わった初戦では「ゴロフキンはそれほど強くなかった。」と発言していたので、ドーピング問題などでより不仲になってしまった二人の対戦後のコメントとしては非常に紳士的なものだったと思います。
続いて、初黒星を喫してしまったゴロフキンのコメントは次の通りです。
「ジャッジがアルバレスの勝利を支持した以上、今回の試合の勝者が誰だったかを主張するつもりは無い。ファンに楽しんでもらえる試合だったし、興奮する内容だったと思う。勝ったアルバレスを称えたいね。ただ、彼よりも私の方が優れた戦いを展開したことは間違いない。私はとても冷静で、ジャブの精度でも勝っていたはずだ。(前回とは違い)アルバレスは逃げ回ることはしなかったが、それが彼が優勢だったことを示すものではない。試合は私が支配していたし、彼は最高のボクシングをしていないと思う。彼が逃げなかったからと言って、彼が勝ったという意味ではないはずだ。彼は何も特別なことはしていないからね。」
と、ゴロフキンはアルバレスを称えつつも勝敗には納得がいっていないようでした。
実は、アルバレス勝利を支持した二人のジャッジは、最終ラウンドのポイントをアルバレスに入れており、ドローを支持したジャッジはゴロフキンにポイントを入れているんです。
もしも全員のジャッジが最終ラウンドをゴロフキン有利と見ていれば、三人とも114-114の判定でドロー決着になっていたはずということ。
そして最終ラウンドは、ボクシング関係者の間でも「ゴロフキンが取ったラウンドだった」と評価されているので、これまた疑惑の判定と言われるかもしれませんね。
まぁそれはさておき、最後に今回の試合に関して僕の感想をお伝えしたいと思います。
一言で言ってしまえば、アルバレスが強くなっており、ゴロフキンが弱くなっていたという試合でした。
昔のゴロフキンであれば軽く避けていたであろうパンチを何度も被弾してしまい、全体を通して印象は良くなかったです。
また、二人の一度目の対戦では終始下がらされていたアルバレスでしたが、今回の試合ではほとんどロープを背負うことも、下がることもなかった気がします。
一方のゴロフキンは前に出る圧力が少なくなっており、むしろ下がる展開が目立ちましたね。
試合の作戦で言えば、ボディブローを多用したアルバレスがリズムに乗り、ほとんど顔面狙いだったゴロフキンの勢いが空振りしていました。
1ラウンドごとにポイントをつけるのであれば、今回のジャッジのように僅差での決着というのは理解できますが、全体的な試合の流れとしてはアルバレスでしょう。
リスクを冒してでもKOを狙いに行っていたアルバレスが、相手の勢いの飲まれたゴロフキンに気持ちで勝利したということだと思います。
参考:ゴロフキンVS村田諒太を予想!強さ&凄さ比較!ファイトマネーについても
ゴロフキンファンの僕にとってこの結果は非常に悲しいですが、今後の活躍に期待するつもりです。
この二人はまぎれもなくミドル級でトップの実力を兼ね備えていますし、今回もドローでもおかしくなかった試合だったので、三度目の対戦が実現される可能性は非常に高いと思います。
一度敗北を喫して失うものが無くなったゴロフキンの衝撃的なKOでのリベンジに期待したいですね。
というわけで今回は、ゴロフキンVSアルバレスの二度目の試合についてまとめてみました。
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